マニアック漫画道場

 このコーナーでは、一般的にマニアックと呼ばれてしまうような漫画について色々と書いていこうと思います。

 何をもってマニアックな漫画とするかという定義はあえてしませんが(制限をつけると書きたいものも書けなくなる恐れがあるので)、 比較的シブイとこをついているつもりです。今のところリスト内最高で6巻ですし。

 人気漫画家と言われる人たちの作品でも、ジャンプのアンケートシステムにハマってしまったり (週刊少年ジャンプでは読者アンケートが全てで、掲載順や打ち切りなどもすべて読者アンケート次第だった。今もか?)、 作者の体調不良などで残念ながら終わってしまった作品があったりして、巻数は少なくても面白い漫画があるんですなー。

 そんな、運悪く(?)日の目を見られなかった漫画たちを掘り起こしたいと思います。

 まぁぶっちゃけた話、それぞれの作者のファンにとってはマニアックでもなんでもない名作が多々ありますが…(汗)

 なお、リスト内には、筆者が現在単行本を所有していない漫画もあるので、そうした漫画については購入後に 書きたいと思っているので、UPが遅れてしまうかも知れません。もちろん全て昔リアルタイムで読んではいたんですが…。

 あ、ちなみに筆者はジャンプっ子でした★



※追記
  このコーナーのリストを増やしていくうちに気がついたんですが(いや、前から気づいてはいたんですが)、 筆者は短編漫画が好きなんです。よってもはや一般的にもマニアックとは呼べない有名作もとりあげていますが、 そういうコーナーだと思ってください(汗)今さら名称変更するのもなんなんで。

 やっぱり短編は、ふと読みたくなった時にさらっと読めるのが最大の魅力ですね★まぁスラムダンクなんかは 長編でありながらも試合ごとに区切れるせいもあってしょっちゅう読み返してますが…。

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◆マニアック漫画作品リスト(タイトルクリックでれびゅーにぶっ飛びます)
  タイトル 巻数 作者
レベルE レベルE 全3巻 冨樫義博
地獄甲子園 地獄甲子園 全3巻 漫★画太郎
ゼットマン ZETMAN 短編集 桂正和
シャドウレディ SHADOW LADY 全3巻 桂正和
サイコプラス PSYCHO+(サイコプラス) 全2巻 藤崎竜
カイゼルスパイク カイゼルスパイク 全2巻 竹山祐右
サイボーグじいちゃんG CYBORGじいちゃんG 全4巻 土方茂
 ⇒特別ふろくCYBORGじいちゃんG必殺技データ
カメレオンジェイル カメレオンジェイル 全2巻 井上雄彦
仏ゾーン 仏ゾーン 全3巻 武井宏之
魔女娘Vivian(まじょっこビビアン) 魔女娘ビビアン 全4巻 高橋ゆたか
DNA2 D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜 全5巻 桂正和
究極!!変態仮面 究極!!変態仮面 全6巻 あんど慶周
狼なんて怖くない 狼なんて怖くない 短編集 冨樫義博
3年奇面組 3年奇面組 全6巻 新沢基栄
瑪羅門(バラモン)の家族 瑪羅門(バラモン)の家族 全4巻 宮下あきら
waq waq(ワークワーク) waq waq(ワークワーク) 全4巻 藤崎竜
まんゆうき〜ばばあとあわれなげぼくたち〜 『まんゆうき〜ばばあとあわれなげぼくたち〜 全2巻 漫★画太郎
プ〜ねこ 『プ〜ねこ』 短編集 北道正幸
SANDLANDサンドランド 『SANDLAND』 全1巻 鳥山明
てんで性悪キューピッド 『てんで性悪キューピッド』 全4巻 冨樫義博
ボクはしたたか君 『ボクはしたたか君』 全6巻 新沢基栄
渋井柿之介 『剣客 渋井柿之介』 全1巻 高橋ゆたか
ハレルヤ 『HARELUYA(ハレルヤ)』 全1巻 梅澤春人
サクラテツ対話篇 『サクラテツ対話篇』 上下巻 藤崎竜




『 レベルE 』(JC全3巻)/冨樫義博
 週刊少年ジャンプ1995年42号〜1997年3・4合併号
レベルE
 冨樫義博が『幽幽白書』終了後に月1で連載していた漫画。作者はこのころアシスタントをつけずに一人で書いていたので、 背景が雑多だったりする。また、ベタ塗りが多く、登場キャラ(クラフト)を通じてベタ塗りの愚痴を 言ってたりする。但し、内容は実に面白く、ジャンルで言うと結構サイコなSFファンタジーと言ったところか。
 ちなみに筆者はリアルタイムで定価を払って漫画を買うことがあまりないのだが、本作はその数少ないリアルタイム定価 買い漫画の一つである。
 知的な駆け引きやミステリーが多いので、ハマる人は相当ハマれるし、現在でもファンは多い。 とりあえず宇宙人は実在する、という前提に立った上でストーリーは展開していく。
 出てこない話もあるが、基本的に、「宇宙一頭が切れるが宇宙一性格が悪いバカ王子(バカ=キ=エル・ドグラ王子)」 が話に絡んでくる。この王子が友達にいたら、人生において飽きると言うことを忘れられそう。最初ジャンプで 読んでいた頃、筆者はバカ王子を女だと思っていた…。
 筆者個人的には、最終話である王子と王女のハネムーンの話が好きなのだが、この話に出てくるサゾドマ虫には ぜっったいに会いたくない。
 なお、登場人物の名前のベースになっている作家の名前や、野球部の超能力者は誰なのかということなどについては リンクを貼らせて頂いているKTRさんのサイトに詳しく書かれています★




『 地獄甲子園 』(JC全3巻)/漫★画太郎
 月刊少年ジャンプ1996年5月号〜1997年4月号・及び増刊ジャンプオリジナル'97年6月号
地獄甲子園
 これは3巻で打ち切りとはなったものの、漫★画太郎の代表作の一つで、なんと映画化までされている。 また、月刊誌連載なので、3巻といっても連載期間はそれなりに長い。
 今年こそ甲子園出場を目指す星道高校は、なんと一回戦からルール無用のケンカ野球(実際はそれどころではない) で悪名高い外道高校と当たってしまう。そんな時、野球部監督である校長は偶然校舎の裏で超高校級の球を投げる男に出会い、 彼を使って打倒外道高校を目指すが…。
 というのが大まかなストーリーだが、とにかく話が二転三転して進まない。 しかし、無茶苦茶な展開、同じ絵のコピーで何ページも引っ張るのが漫★画太郎流。 普通の漫画ならギリギリで助かるところを見事に助からなかったりするのも実に爽快。 1巻の野茂トルネードやる時のケツ丸出しの画が結構好き。2巻の特別読切『ラーメンバカ一代』は 残念ながら面白くない。




『 ZETMAN 』(短編集)/桂正和
 1995年7月9日発行
ゼットマン
 現在、ヤングジャンプで連載中の同タイトルの作品の元となったのが、この短編集の表紙も飾っている作品である。 桂正和作品は純愛系ラブコメ(電影少女/I''sなど)か変身ヒーロー物(ウィングマン/SHADOW LADYなど)にわかれるが、 本作はもちろん後者である。
 この読切Ver.はヤンジャン版よりも話が作りこんでなく、割りと単純であるが、主人公の あまりの正義感の強さゆえに誤った道を進んでいく様が少年誌的には斬新であった。オチもハッピーエンドとは言いがたかったし。 編集部の評判はすこぶる悪かったらしく、この読切からかなりの時を隔てて、青年誌で復活することになった。 ちなみにその他の短編は『SHIN-NO-SHIN 愛と憎しみのタイムスリップ』『WOMAN IN THE MAN -男の中の女-』『SHADOW LADY』 (読切版)の3作品。




『 SHADOW LADY 』(JC全3巻)/桂正和
 週刊少年ジャンプ1995年31号〜1996年2号
シャドウレディ
 作者自身、このキャラは割りとお気に入りのようで、このジャンプでの連載前にVジャンプでも連載していたり、↑の 「ZETMAN」中にもシャドウレディに酷似したキャラが登場したりしている。また、VJでの連載時とジャンプでの読切と この連載とですべて細かい設定が異なっていて、作者もシャドウレディの色々な可能性を探っていたような気がする。
 ストーリーは、超内気な主人公アイミが魔法のアイシャドウを塗るとナゾの女怪盗シャドウレディに変身し、お色気と 不思議な能力で警察をおちょくるという、まぁキューティーハニーとキャッツアイを足したような感じ。 桂正和お約束のセクシーシーン満載で、恋愛もしっかり絡んでくる。やはり女性を描かせたらこの人に 敵う者はいないんじゃないかと思うほど、絵がすばらしい。街の背景も凝ってていい感じ。




『 PSYCHO+(サイコプラス) 』(JC全2巻)/藤崎竜
 週刊少年ジャンプ1992年51号〜1993年11号
サイコプラス
 『封神演技』で有名な藤崎竜がもっと昔にジャンプで連載していた作品。全2巻と言うかA巻とB巻に分かれてしまった、 という感じ。そのためB巻では50ページクラスの読切を2本書く羽目になったようだ。フジリュー独特の絵と世界観に 引き込まれてしまう。単行本にしてわずか1巻半だが、よくまとまっていて、秀逸な短編という感じ。
 ミュータント(突然変異)の綿貫緑丸は髪も瞳も緑色。その容姿ゆえに幼い頃から奇異を見る目で見られてきた。 しかし、ある日公園で出会った少女は彼を見て「綺麗ね」と言った。彼女には言い寄ってくる男が多かったが、 彼女にテレビゲームで勝った男としか付き合わないと宣言しており、また、負けることもなかった。
 そんな頃、緑丸は街の中古ゲーム屋で引き寄せられるようにあるゲームを購入する。そのゲームは何故か緑丸にしか 操作できない上に、現実のものを自在に動かしたりできる不思議なゲームだった。
 このゲームの謎を解くため、緑丸はゲームを進める。一体このゲームはなんなのか、何故緑丸にしか操作できないのか、 緑色の髪や瞳と関係があるのか。そして、緑丸は自分の運命を知ることになる…。という話。




『 カイゼルスパイク 』(JC全2巻)/竹山祐右
 週刊少年ジャンプ2000年33号〜46号
カイゼルスパイク
 最近では週刊誌(漫画)を読まなくなったので、連載が終わってから知った作品。これが竹山祐右の連載デビューらしい。 筆者はバレーをやっているので、バレー漫画というだけで飛びついたが、バレーの弱小校に入った主人公が全国を目指す、 というよくある設定。
 設定がありがちなのはいいが、バレーの書き方がおかしい。絵が下手というわけではないが、バレー経験者から見ると明らかに 腑に落ちない点がいくつも出てくる。恐らく作者はバレーをやっていたわけではないと思う。ギャグ漫画ならともかく、 スポコンであれをやられると、試合を書かれても茶番にしか見えない気がする。
 色々とストーリー的にも複線を張っていたのだが、そこに深く突っ込む間もなく打ち切られてしまったのが残念。 その後の展開次第ではけっこうアツかったかも知れない。
 何気にタイトル作品よりも2巻の後ろについている読切が面白いので、こちらの方がオススメ★




『 CYBORGじいちゃんG 』(JC全4巻)/土方茂(小畑健)
 週刊少年ジャンプ1989年22号〜1989年52号
サイボーグじいちゃんG
 『ヒカルの碁』の小畑健のデビュー作。Gちゃんが終わった後に名前を変えているのはギャグ漫画家のイメージがつくのを 避けたかったんじゃないだろうか。その後はギャグ漫画らしいギャグ漫画は書いていないようだし。
 自らを農作業用ロボットに改造した“Gちゃん”こと壊造時次郎が街中を巻き込んで繰り広げるドタバタギャグ漫画なのだが、 まさにドタバタという感じ。ギャグの勢いにまかせて人の頭を切断したり、一般人への爆撃は当たり前。Gちゃん本人としては 良かれと思ってやっているが回りからしたらいい迷惑である。時速30kmのバスに轢かれそうなタバコ屋のばあさんを助けるために マッハ2のスピードでばあさんに体当たりしたのは笑った。おまけに死んじゃいそうだったもんだから改造手術してるし…。
 途中から人造犬ガンテツが造られ、さらに死んだばあさん(壊造喜由)もサイボーグとして復活し、ドタバタ具合は加速していく。 偶発的に変身したGちゃん&ばあちゃんのヤングバージョンが読者にも高評だったらしく、その後も幾度となく変身することとなる。 (ばあちゃんなんか後にヤングバージョンの方が基本になるし)
 最後は強力な敵を倒して終わりなのだが、ちゃんとオチが用意してある。とにかく読んでて気持ちのいい作品。

   ⇒特別ふろくCYBORGじいちゃんG必殺技データ




『 カメレオンジェイル 』(JSC全2巻)/井上雄彦(成合雄彦)/原作:渡辺和彦
 週刊少年ジャンプ1989年33号〜1989年44号
カメレオンジェイル
 今や知らない人はいないであろう井上雄彦の連載デビュー作。はじめは本名の成合雄彦名義で書いていたが、 後に井上雄彦名義に変更し、コミックスも両パターンあるようである。
 カメレオンのように自在に他人に変身することができる史上最強の危険請負人(リスクハンター)であるジェイルが ニューヨークを舞台に難事件を次々に解決していく、一話〜数話読み切りの刑事物系アクション(実際は刑事ではないが)。 全12話のうち半分を占める「ウォーキング・マドンナ」編がなんとなくメインのようになっている。
 この作品で最も気になるのが第4話である。この作品は基本的に真面目なストーリー展開で、友情や愛情をテーマに、最後は 感動的に終わる話がほとんどだが、この4話だけはなぜかギャグ漫画としか思えない。4話では、カメレオンジェイルが 世界中の犯罪者から恐れられている“真の理由”について書かれており、その理由は、ジェイルが唯一他人に対して発動できる 特殊能力なのだが…。このギャグっぷりはぜひ読んでもらいたい。
 あと、最終話は恐ろしいほど唐突に終わる。通常のストーリーのケツにエピローグをくっつけたような…。まぁ、この打ち切り があって、次のSLAM DUNKという極上の傑作を生むことができたと思えば、それもいい思い出である(誰だお前は)。




『 仏ゾーン 』(JC全3巻)/武井宏之
 週刊少年ジャンプ1997年12号〜1997年31号
仏ゾーン
 「シャーマンキング」で有名な武井宏之がその前に連載していた作品。ちなみにワンピースの尾田栄一郎とは 「るろうに剣心」のアシ時代の仲間であり、交流も深く、画風・作風まで似ている。
 地上には煩悩が溢れ、人々が混迷する現在。そんな人々を救うべく、人間としてこの世に生を受けた弥勒菩薩の生まれ変わり サチ。彼女を仏敵魔羅(マーラ)から護りつつインドへと送り、無事悟りを開かせるのが主人公である千手観音のセンジュの務めである。
 なお、仏であるセンジュらが地上で活動するためには地上にある仏像の身体を借りる必要があり、能力・強度などはある程度 元の仏像の素材などの影響を受ける。それは魔羅も同様である。
 テーマも目新しいし、絵もうまい。ストーリー展開も決して飽きるようなものではないのに、何故打ち切りになってしまったのか よく分からない。そのへんの悔しさは作者もコミックスの各話の合間で愚痴ってたりする。また、仏ゾーンを復活させて欲しい という意見も多く、同目的のWEBサイトなどもある。この作品にはサチの両親についてや、イタコのアンナの両親についてなど 色々と伏線が張られていたのだが、それらを全く明かす暇も無いまま打ち切りとなってしまった。
 なお、そのイタコのアンナがシャーマンキングの主人公のモデルとなっている(アンナも刀「春雨」の持ち主であるサムライ を憑依させることができた)。シャーマンキングも終わったことだし、本当に仏ゾーンが復活してくれたらいいのに。




『 魔女娘Vivian(まじょっこビビアン) 』(JC全4巻)/高橋ゆたか
 週刊少年ジャンプ1996年49号〜1997年43号
魔女娘ビビアン
 『ボンボン坂高校演劇部』の高橋ゆたかが『ボン坂〜』後に連載していた作品。
 アイルランド南方の洋上に浮かぶアヴァロン島という島には魔女の村があり、ビビアンはそこで暮らしていた。 この村のしきたりで、14歳になった魔女は成人と認められ、人間の男と結婚することが許される(男は魔女の奴隷となるのが原則)。 但し、魔女と結婚した男は生体エネルギーを吸い取られ、衰弱死する危険性があるため、村の長がとびきり屈強な男性を 水晶で選び、魔女たちはそれぞれ割り当てられた男と結婚しなければならなかった。
 ビビアンには自分の理想にぴったりの結婚相手(あかり一休)が選ばれたのだが、手違いで友達のアラウネと相手候補が ダブルブッキングしてしまう。長に問い詰め、もう一人の候補を挙げてもらうと、これが見るからに超ひでぶーの変態男。
 そんなわけで、二人は即刻日本へ向かい一休を取りあうのだが、ビビアンの下手くそなのにパワーだけは物凄い魔法に、 一休や周りの人間も巻き込まれ、ドタバタドタバタやっていくギャグ漫画。
 魔法使いという設定だけに、まさに何でもありで、素直に笑える。思いっきりギャグ漫画なのだが、基本的に純愛路線が しっかり進んでいたり、二頭身で人間離れした行動ばかりする師匠がいるあたり、『ボン坂』の流れを汲んでいる気もする。
 「奴隷(ムコ)自慢格闘大会」編に入ると、急に普通の格闘漫画のようになっていく。そして、まる一巻分使って格闘編が 終わると、エピローグがあって連載も終了してしまう。この作者も、女の子を描かせたら天下一品である。




『 D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜(JC全5巻)/桂正和
 週刊少年ジャンプ1993年36・37合併号〜1994年29号
DNA2
 なんとなく桂正和の作品が多いが筆者は別に特別桂正和ファンというわけではない。 もちろんすべて面白いから書いているわけだが。
 人口過密に悩む未来ではある男の存在が問題となっていた。100人もの女性に子供を産ませた“メガプレーボーイ(メガプレ)” なる者がいたのだ。名前は桃生純太。問題視された未来ではその桃生純太は既に死亡していたが、 もとを断つために葵かりんは過去(つまり現在)に送り込まれ、純太のメガプレのDNAが目覚めるのを阻止しようとした。
 しかし、間違ったD・C・M(DNAを変化させる薬)を純太に打ったり、正しいD・C・Mを別の人間に打ったり、純太に打った D・C・Mにはある陰謀が隠されていたり、かりんと純太が恋しちゃったり、展開が次々に変わっていく。 この展開の作りこみ具合がイイ感じ。
 純太が、異常に女性を惹きつけるキラキラバージョンのほか、サイキックパワーも使えるメガプレバージョンにも 不安定ながら目覚めると、段々格闘漫画みたいになってくる。格闘の中には『メガプレチョップ!!』とか、 『山田君の体!!』とか真面目な場面でも狙ってるとしか思えないギャグが織り交ざっている。
 最終5巻は“モリの陰謀”が明らかになっていくあたりとか、最後のかりんの決断など見どころ満載で、終わり方も 筆者的にはスッキリできる終わり方であった。




『 究極!!変態仮面 』(JC全6巻)/あんど慶周
 週刊少年ジャンプ1992年42号〜1993年46号
究極!!変態仮面
 今考えればよく少年誌上で1年も連載できたなと思うほどあからさまに変態要素満載の漫画である。
 主人公色丞狂介(この名前もまた…)は女性のパンティを仮面のようにかぶると母(現役SM嬢)譲りの変態の血が覚醒し、 通常の人間は30%しか使えないとされる潜在能力を100%引き出すことができる。この能力を使い、狂介は悪者たちに 制裁(おしおき)を加え、世間でも噂の変態…いや、ヒーローとなった。なお、変態仮面の強さはパンティの形状や素材、 そしてなにより持ち主の影響を強く受けるのだが、実は持ち主が超ブサイクなのに綺麗なオネーサンのパンティだと 勘違いして変身した時も相当強かったので、気分の問題であると言える。裸に網タイツ、そして白ブリーフのサイドを 逆側の肩にかけたスタイルは忘れることのできない爆笑スタイルである。また、顔だけ見るとス○イダーマンのようにも見える(笑)
 連載最終話では、急に8年後の未来が描かれるのだが、狂介がヒロインの愛子ではなく後から登場した春夏と結婚 していたのは腑に落ちないところがある。
 最終巻にはページ数の都合上(笑)、書下ろしが2話載っているのだが、なんと最後には変態仮面の2世まで登場する。 狂介の実の息子なわけだが、赤ん坊なのに信じられない動きをする。連載も終わっていてもはや何でもありという感があった。




『 狼なんて怖くない 』(短編集)/冨樫義博
 1989年10月15日発行
狼なんて怖くない
 妖怪や幽霊、悪魔にホラーなど、冨樫義博ワールドが全開の短編集。
 表紙にもなっている狼男の高校生(だっけか)の話『狼なんて怖くない』が実際面白く、一番新しい。親譲りの狼男(どんなだ) である拓郎は満月を見ると変身してしまうのだが、人前で変身してしまうたびに怖がられ、転校を繰り返していた。 しかし、今の学校にはお気に入りの子(さやか)がいるのでもう転校はしたくなかった。さやかもいるバスケ部の合宿に 参加した拓郎は満月の下、暴漢に襲われたさやかを狼男の力で救ったため、さやかに正体がばれてしまうのだが…。 というストーリー。
 他に個人的にけっこうお気に入りなのは、主人公―通称“不死身のテツ”―の誕生日プレゼントとして じじいの発明した失敗マシーンによって、テツの住む街がまるごとゲーム(RPG、ドラクエみたいな) の世界と融合してしまう、という『とんだバースディプレゼント』。
 その他オカルト探偵団が心霊事件を解決する『オカルト探偵団(Part1/Part2)』、ホラー映画マニアの主人公のもとに ホラー映画の精スプラが現れる話『HORROR ANGEL』、ケンカ野球をモットーとする主人公が管理野球派部員と野球対決を 繰り広げる『ぶっとびストレート』が収録されている。




『 3年奇面組 』(JC全6巻)/新沢基栄
 週刊少年ジャンプ1980年41号〜1982年17号
3年奇面組
 奇面組に関して筆者が覚えている限りでもっとも古い記憶が『ハイスクール奇面組』の単行本か 同作の平日朝のアニメの再放送である。3年奇面組ともなると、連載開始はなんと筆者の生まれるより前である。 本作は奇面組が中学を卒業して『ハイスクール〜』になったため6巻で切れているだけであって実際はマニアックとは いえないのだが、筆者と同じ「ジャンプ黄金期に小学生だった」世代からしたらマニアックと言えなくもないだろう(汗)
 『3年〜』が『ハイスクール〜』と違うところといえば、(単純に書き慣れていないせいなのだが)1巻のはじめの方は 奇面組が本当に奇面でコワイところ。特に連載前の読切などはもっとコワイ。そしてヒロインの河川唯(かわゆい) もやたら変態的なところである。『ハイスクール〜』の唯ちゃんしか知らなかった時にこれを読んでちょっぴりショック を受けたりした(笑)。
 コミックス1巻の途中にウラ話コーナーがあって、そこに、キャラが完成する前の奇面組が紹介されているのだが、 その顔で連載されなくて本当によかったと思う。特に冷越豪(れいえつごう)は見たまんま変態で殺人鬼みたいな顔をしている。
 ちなみに『ハイスクール〜』では定番のずんぐり2頭身スタイルは2巻の中盤あたりから頻繁に登場するようになる。




『 瑪羅門(バラモン)の家族 』(JC全4巻)/宮下あきら
 週刊少年ジャンプ1992年25号〜1993年12号
瑪羅門(バラモン)の家族
 宮下あきらが魁!!男塾の次にジャンプで連載していた作品。
 インド発祥で3000年の歴史を持つ瑪羅門の一族は世界中に分家を持ち、警察その他正攻法では裁きにくい悪をその特殊な能力 を用いて制裁するのがつとめである。なんとなく男塾の民明書房を思い起こさせる設定である。なお、瑪羅門一家は表向きは 一般人として普通に暮らしている。主人公は日本人で300年に一度誕生し、瑪羅門総本山のトップに立つという天輪聖王の 宿命を持つ瑪羅門龍。
 はじめは龍とその兄弟が身近な悪を退治する話だったが、その昔、「愚かな民衆など救えない」と瑪羅門総本山を抜け出した者 の一族である魔修羅が登場すると、一気に話は世界レベルになり、世界中にいるバラモン一族の選ばれし7人を集め、魔修羅に 挑む。
 瑪羅門・魔修羅の基本的な能力の一つとして、指などで直接チャクラを送り込んだ相手を意のままに操れるという能力がある。 ラジコンのように動かすというよりはあらかじめ行動プログラムを打ち込む感じ。そのプログラム発動の合図として当人の 心の中で“瑪・羅・門(or魔・修・羅)”という呪文(?)が聞こえる。
 魔修羅はこの能力を使い世界中の混乱を裏でプロデュースしてきた。この作品中では信長も、ヒトラーも魔修羅の操作 によって動いていたらしい。
 ラストはラスボスのとこに辿り着きもせず、実に中途半端に打ち切り感満載で終わる。個人的にはかなり面白いと思うので そこは残念である。




『 waq waq(ワークワーク) 』(JC全4巻)/藤崎竜
 週刊少年ジャンプ2004年40号〜2005年23号
waqwaq(ワークワーク)
 筆者は藤崎竜作品が好きで、短編集も含め、過去の作品はすべて持っていたりするわけだが、どうもいまいち最近の作品は 調子が出ていないように思う。相変わらず藤崎ワールドは出ているが、やはり『封神演技』が面白すぎたせいだろうか…。
 waqwaqもストーリーの骨子はいいと思うんだが、ストーリー上の伏線を張る暇もなく、変にサクサク進みすぎだし、もったいないかな、と思う。 それでも藤崎的漫画は好きだし、結構期待しながらコミックを買ってた。しかし、あの4巻(最終巻)の展開は……。
 短絡的な勢いだけの戦闘シーンに、ベタベタな格闘系漫画的展開…。さすがにこれには…汗。藤崎氏も打ち切りが決まってヤケになったんじゃ なかろうかと思ったくらいだ。藤崎作品が好きだからこそがっくりきてしまった…。
 ちなみに舞台は、かなり未来の地球。赤い血の人間は滅び、世界(ワークワーク)には黒い血の人間と、それを本能的に襲撃する機械しか存在しないところへ、現代の女子高生 松田が空間転移により連れてこられるところから始まる。人々は何故か彼女を神と呼ぶが…。なぜ人々は彼女を神と呼ぶのか、なぜ黒い血の人間 と機械は争うのか。黒い血の人間とは何者なのか。って感じ?
 主人公は、黒い血の人間の中でも、機械と戦うことのできる選ばれた戦士"防人(さきもり)"の息子シオ。終盤の方、急激に強くなりすぎ(笑




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